歯列矯正医による矯正治療のお話

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歯列矯正

矯正治療の痛みを解説【原因、メカニズム、緩和方法】

こんにちは、シュンです。

「矯正治療ってどのくらい痛いの?」
「何も食べれないって聞いたけど…」
「痛くない矯正ってないの?」

といった疑問を持った方向けの記事になります。

本記事では、

  • 矯正治療の痛みの原因
  • 歯が動く痛みが発生するメカニズム
  • 矯正治療の痛みを緩和するための方法
  • 矯正治療の痛みと上手に付き合っていくために

について解説します。

 

矯正治療の痛みの原因

矯正治療で痛みを感じる原因は、大きく2つに分類されます。

歯が動く痛み

矯正治療で力をかけると、引っ張られてるようなキツい感じがあります。その後、6時間後くらいから歯が浮くような感じとともに、痛みが発生し、特に食事で噛んだときに痛みが出ます。その後、2日目をピークとして段々おさまっていき、1週間たつとほとんどの方は痛みがなくなります。

この痛みは、毎回調整するたびに起こりますので、矯正治療中は上手に付き合っていく必要があります。ただし、痛みの感じやすさは個人差が大きく、同じ力をかけたとしても、ほとんど痛みを感じない方もいれば、数日間ウィダーインゼリーしか食べられなかったという方もいます。

 

装置が当たる痛み

初めて装置をつけたときは、非常に違和感があります。これは全ての矯正装置で言えることですが、通常初めて使う装置に慣れるには2週間程度はかかります。裏側矯正などは、1ヶ月以上かかる場合もあります。

また、固定式の装置の場合は、口を動かす度に唇や頬の内側、舌などが装置に擦れるため、慣れるまで傷ができたり口内炎になったりします。

装置の種類にもよりますが、段々口のなかの粘膜が慣れてくると、傷や口内炎ができることも少なくなります。

 

歯が動く痛みが発生するメカニズム

矯正治療で歯にかかる力としては、1本につき100g以下程度の力です。この力は、軽く歯磨きをするのと同じくらいの力だと言われています。

むし歯や知覚過敏などがない場合、歯磨きをして歯が痛む方はいません。それでは、なぜ矯正治療では痛みが発生するのでしょうか?

歯が骨の中を動くとき、骨が吸収と添加を繰り返しながら、少しずつ動いていきます。このときの反応は非感染性炎症、つまりばい菌の関与しない炎症に似ていると言われています。炎症とは、体に一部が熱を持ち、赤く腫れたり、痛むことです。矯正治療は、骨の中を動かしていくため、赤く腫れたり、熱を感じることはありませんが、炎症反応なので痛みは感じます。つまり、矯正治療で痛みが出るのは正常な反応といえます。ただし、痛みの感じかたは個人差が大きいですので、痛みを感じなくても問題はありません。

 

矯正治療の痛みを緩和する方法

装置が当たる痛み

装置が当たる痛みは、装置に慣れてくると段々気にならなくなります。そうは言っても、慣れるまでが大変です。

装置が当たる痛みを軽減するものとしては、粘膜を保護するための材料があります。矯正用のホワイトワックス、保護用のシリコン、リッププロテクターなどがよく使われますか、あくまで慣れるまでや口内炎が出来たときなどの応急処置だと考えた方が良いかと思います。また、担当医に相談すると食事でとれにくい保護材を盛ってくれたり、装置の尖った部分を削ってくれたりすること、痛みが強い場合には一時的に装置を外すことも検討してくれると思いますので、相談してみてください。口内炎ができてしまった場合は、応急処置と同時に口内炎のお薬(軟膏、パッチ)などを併用すると早く治ります。

歯が動く痛み

歯が動く痛みは、非常に個人差が大きいものです。この痛みの感じやすさは、実際に矯正治療を初めてみないとわかりません。当然、矯正医としてはあまりに痛みが強く出てしまう方には力を弱くしたりしますが、あまりにも痛みに配慮してしまうと治療期間が延びてしまいます。

痛みを緩和する方法としては、一番早いのは痛みが出やすい2-3日は痛み止めを飲んでしまうことです。市販の痛み止めでも良いですし、担当医に相談すれば処方もして貰えると思います。ただし、矯正治療は健康保険が適用されませんので自費での処方になるかもしれません。また、過度に痛み止めを飲んでしまうと胃が荒れてしまうなど副作用が出てしまいますので、必ず担当医に相談してから飲んでください

 

矯正治療の痛みと上手に付き合っていくために

矯正治療で痛みが起こるのは、正常な反応です

たまに、「痛みは全くありません」や「痛みがでない最新の矯正治療を行っています」などの広告を見ることがありますが、そんなことはあり得ません。

矯正治療は身体の反応を利用して歯を動かしていきます。その過程では必ず痛みを発生させる物質(サイトカイン)も発生します。そのため、「痛みが出にくい矯正治療」は可能でも、「痛みが全くでない矯正治療」は不可能なのです。

矯正治療の痛みと上手に付き合っていくためには、まず担当医と十分に相談することが大事です。また、力をかけ始めて2-3日間は、固いものや弾力のある食事を避け柔らかめの食事をすることや場合によっては痛み止めを飲むなどご自身で対応できることもありますので、数年間の矯正治療を少しでも快適に過ごして頂き、きれいで機能的な歯並び・かみ合わせになるまで頑張ってください。

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