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歯列矯正

マウスピース矯正って何?【特徴・種類・治せるケース・注意点の解説】

2019年11月5日

こんにちは、シュンです。
フリーランスの歯列矯正医をしています。

「最近、マウスピース矯正って聞くけど何なの?」
「普通の矯正と何が違うの?」
「知り合いがマウスピース矯正で治ったって聞いたけど、ホントに治るの?」
こんな疑問のお持ちの方。
本記事では、マウスピース矯正について、特徴・種類・治せるケース・注意点について解説します。

本記事の構成
1.マウスピース矯正の特徴
2.マウスピース矯正にはどんな種類がある?
3.マウスピース矯正で治せるケース、おすすめできないケース
4.マウスピース矯正の注意点
4.マウスピース矯正について、矯正相談で言いにくいこと

 

マウスピース矯正の特徴

大人の歯列矯正というと、大きく分けて歯にワイヤーの装置をつける「ワイヤー矯正」「マウスピース(アライナー)矯正」とがあります。

マウスピース矯正の一番の特徴としては、『自分で取り外しができる』ことです。従来のワイヤー矯正では、自分で取り外すことはできないため食事がしにくかったり、歯磨きが難しかったりしましたが、マウスピース矯正では取り外すことができます。また、マウスピースは透明の装置なので着けても目立ちにくいというメリットもあります。

これだけ聞くと良いことばかりだと感じると思いますが、取り外しができるということは、外している時間が長いと歯は動かないということです。つまり、自己管理が非常に重要になります。また、マウスピース装着中は、食事が出来ませんし、お水以外の飲み物も制限されます。

しかし、使って頂けない(使用時間が短い)と、僕ら矯正医にはどうすることもできません。最近主流のマウスピース矯正では、1日に20時間以上の使用が推奨されていますので、「仕事中や学校では使えない」「自分に甘い」方には向いてないかもしれません。

ポイント

マウスピース矯正は1日20時間以上の使用が必要 ちゃんと自分で管理する自信がない人には不向き

 

マウスピース矯正にはどんな種類がある?

最近、マウスピース矯正というのを初めて聞いたという方も多いと思いますが、実はマウスピース矯正自体は数十年以上前からあったものです。

ただし、以前のものは大きな歯の動きは困難であり、非常に簡単なケースや矯正治療をした後、少し後戻りしてしまった場合など非常に限られたものでした。また、1~数枚のマウスピースを作るために歯型を取る必要がありました。

そのため、以前は「マウスピース矯正」じゃ治らないというのが矯正医の間でも一般的でした。そんな中、黒船のように日本にやってきたのが『インビザライン®』です。それまでのマウスピース矯正と異なり、歯型を取ったらコンピューター上で歯の動きや動かし方を3次元的にシミュレーションして、治療終了までのマウスピースを機械で一気に作ってしまうというものです。簡単なケースであれば10枚くらい、難しいケースの場合100枚以上のマウスピースを一度に作ってしまいます。

それを、患者さんは1~2週間に1度くらいのペースで自分で取り換えて使用していきます。ただし、枚数が増えるにつれてシミュレーションとの差が増えてしまいますので、何度か作り直して治療するのが一般的です。

例えば、最初70枚→2回目30枚→仕上げ10枚とかで仕上げていくみたいな感じです。

マウスピース矯正の種類としては、以前のタイプのマウスピース矯正などは数十種類ありますし、今まで『インビザライン®』のほぼ独占だった新しいタイプのマウスピース矯正も日本でも何社かトライアルなどを行っており、今後続々と参入してきそうです。

この辺の新しいタイプのマウスピース矯正の特徴などは、今後データが出そろったら記事にしたいと思います。

ポイント

現時点では、新しいタイプのマウスピース矯正はインビザライン®のほぼ独占状態。
ただし、今後はわかりません。

 

マウスピース矯正で治せるケース、おすすめできないケース

最近では、かなり治せる歯並び・噛み合わせが増えて来ましたが、マウスピース矯正で、すべてのケースで適応できるという訳ではありません

例えば、出っ歯で抜歯が必要で前歯をたくさん下げたいケースなど歯の移動距離が多くなる場合、困難となります。逆に、非抜歯で治療できるケースなどに関しては、かなりのケースで問題なく治療が可能かなと感じています。

これは僕の感覚になりますが、従来のワイヤー矯正で治せるケースを100とすると、マウスピース矯正で同レベルのクオリティで問題なく治せるケースは40~60くらいかなって印象です。ただし、これは経験などにもよると思います。

「じゃあ、自分はどうなのか?」という質問に対しては、お顔と口の中を見なければ、なんとも言えませんので、お近くの矯正医に相談してみてください。

その際のポイントとしては、ワイヤー矯正で治す場合とマウスピース矯正で治す場合に治療方針をよく聞いてみることです。特に、「ワイヤー矯正では抜歯が必要で、マウスピース矯正では非抜歯で治します」などの場合、治療のゴールがワイヤー矯正とマウスピース矯正で異なる可能性が高いですので、両方の治療方針の違いをよく聞いてください。

ポイント

マウスピース矯正でワイヤー矯正と同レベルで治せるのは、半分程度
マウスピース矯正とワイヤー矯正で抜歯と非抜歯が異なる場合は注意

 

マウスピース矯正の注意点

新しいタイプのマウスピース矯正は、歯科医師の指示のもと機械がマウスピースを製作します。これが、日本の法律(医療法、歯科技工法)では、医療機器としても矯正装置としても認められておりません。しかし、インビザライン®などは世界100カ国以上で600万人以上で使用されている装置です。

ちなみにアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)では、20年以上前に安全性・有効性が確認され医療機器として承認を受けています。

従って、日本で同様の新しいタイプのマウスピース矯正(カスタムメイド マウスピース矯正)を受ける場合、担当の歯科医師の全責任のもとで治療を行うということになります。

もう1つの注意点としては、新しいタイプのマウスピース矯正はコンピューター上で3次元的にシミュレーションを行いますが、必ずしもそのシミュレーションの通りに動くとは限らないということです。

当然、なるべくシミュレーション通りに動くように設計していきますが、あくまで人体のことなので思うように動かないこともあります。また、コンピューター上ではいくらでも歯を動かすことはできますので、マウスピース矯正の経験の浅い矯正医や歯科医師では、ありえない動かし方をしてしまうこともあり得ます。歯列矯正に限らず、歯科医師であればむし歯の治療も矯正治療も口腔がんの手術さえ、資格的には可能です。

このあたりは、矯正医の知識や経験によるものが多いです(ちゃんと装置が使えてるのが前提です)。また、マウスピース矯正に関しては、従来のワイヤー矯正とは動かし方が全く異なるため、ワイヤー矯正が経験豊富な先生でもマウスピース矯正がうまいとは限らないということも覚えておいてください。逆に、マウスピース矯正の経験豊富な先生でも、ワイヤー矯正がうまいとは限りませんので、万が一マウスピース矯正で治らなかった場合、ワイヤー矯正でリカバリーできるかということも参考にした方が良いと思います。

ポイント

日本の法律では、新しいタイプのマウスピース矯正は『医療機器』としても『矯正装置』としても認められてない
ワイヤー矯正とマウスピース矯正は動かし方が全く異なる

 

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